読書の秋編

スプートニクの○○
私が読んだのは村上春樹の「恋人」の方ではなくて、今野浩氏の「落とし子たち」です。理工系エリートの栄光と挫折、とあったもので興味をそそられて手にとってしまいましたが、正直なんだコレ?と著者との人生に臨む態度に対して大きなギャップを感じました。
都内有名校から才気あふれる同級生と東大理一に進学した自分達を「ベスト・アンド・ブライテスト」と自称するのはご勝手にどうぞだけど、文系を小馬鹿にした態度や、この本で特に取り上げたかつての親友後藤氏に対する関心(本人は謎解きだと言っているけど、単に外資系銀行時代に蓄えた資産の行方を気にしているだけ)の低俗さに、反感を抱かざるを得ないですね。年寄りになって寛大になる人と、自分のやり方以外を認めないような頑固さを発揮する人との2種類がいるけど、この人はきっと後者だよねー。ただ唯一学んだことがあるとすれば、後藤氏のように人望もあり、実力もあった人がなぜ後年ポストに恵まれなかったのかについて。金融業界が厳しい時代があったのは分かるけど、そこにとどまるべきではなかったのか。歳を取ってからいきなり大学教授になりたい、と方向転換をし、畑違いの研究で博士号を取得するのが精神的に破綻する原因になったようですし。いつまでも覚悟を決めないとこうなりかねない、と転職回数の多い私は反面教師として肝に銘じたのでした。(しかし、無理のない範囲でいつも自分自身の発展のチャンスは狙っています。)
あと驚いたのは嵐山光三郎氏が考案したという「人生星取表」なる、人生を5年ごとに区切って勝ち負けを記入し、総人生を振り返るツール。正直、子供の頃のことなんて現在の生活に関係ないと思いますし、なぜ勝敗を決めなきゃいけないのか。くっだらねぇー!と罵声を浴びせ、私の美意識に合わない著者の本は二度と読まないことにしたのでありました。

☆ハリポタ祭り〜前半終了〜
やっと前作までのすべてのDVDを見終わり、劇場に最新作を見に行ってまいりました。子供向けファンタジーなのに、学園の級友でさえ命を落とす、Dark Lordとのハードな戦いに、生ぬるい生活を送っている私は衝撃を受けるのでした。悪と戦うって大変!しかしハリーたちの揺るぎのない使命感。新世紀エヴァンゲリオンのシンジに見習わせたいよ。(笑)冒頭で、ハーマイオニーが戦いに集中する決心をするために、両親の記憶から自分との思い出を消去するシーンなんて、本当にかわいそう。ここまで自分のプライベートを犠牲にしなくてはいけないのか、と。2時間あまりハリー達と一緒にずっと戦っている気分だったので、なんだか疲労しました。そして、毎晩悪夢にうなされるハリーを愛してしまっている自分を発見しました。(映画の中で(葛藤に)苦しむキャラクターに弱いんです、私。)悪役なんだけれど、優美なSnape教授も魅力的だわ。

後編は来年7月公開とのこと。DVDを1.3倍速で鑑賞したために、理解の足らなかった部分を補いつつ、これから原書を読んでいきます。私のハリポタ祭りはまだまだ続くのでありました。