そんなにあこぎなことばかりではない

Short Noticeでいきなり四日市に転勤になる女性社員を送り出しながら、異動なんて概して本人の希望どおりにはいかないものだよなぁと思っていました。前にも書きましたが、最近の私は部のメインストリームの仕事から自分が外されているような気がしています。それで、近々異動かと推測していたら、隣の部に新しく内部異動者がくると。それって私じゃね?と思った私はつべこべ言わずに、社長にダイレクトに聞くことにしました。ある日の昼下がり、社長室に行き、ひとしきり雑談をした後で、「ところで、誰に何を言われたわけでもなく、私の勝手な推測なのですが、私って異動ですか?」と切り出しました。すると、きわめて常識的に「そんなわけないでしょう。今はどうみても動けないでしょう」と。私の専門に近い分野で新製品担当が必要ということが会議でアナウンスされ、私自身も大変興味を持っているのですが、いかんせん担当部署である隣の部の部長とは本社時代にけんかをして3か月間口をきいてもらえなかったという過去があります。その人に上司として私の成績をつけられるのは辛いというものですよ。それで、手を挙げるのを渋っておりました。しかし、その事件を以前に告白したことを社長はちゃんと覚えていて、「上司が違えば担当してもらえる?」とめちゃめちゃ配慮のある言葉をかけてくれるのでした。大事に思ってくれていたのだなぁとなんだか嬉しくなったのでした。
この社長はいつも事業部の部屋に「なんか短期で儲かるネタない?」と言いながら入ってくるので、金がすべてかと思っていたのだけど、「仕事は楽しくやらないと。1番は楽しくて儲かる仕事。2番は楽しいけどあんまり儲からない仕事。3番はつまらないけど儲かる仕事だよね。」と言っていたので、「私、2番と3番は逆だと思っていました。」というと、いや、お金より楽しく仕事ができることのほうが重要だと。そのとき、私はあらためてこの方の奥行の深さに社長の風格を感じたのです。
おそらく、私はいずれ「面白い!」と思える、その新製品の担当になることでしょう。その挑戦ができる日を心待ちにしたいと思います。