私だけのロードショー

つくばにはシネコンが3施設もある。文学作品の映画化に興味のある私は、キーラ・ナイトレーの「アンナ・カレーニナ」を見逃してしまったことを悔いていたが、「華麗なるギャッツビー」で気を紛らわせることにした。レオナルド・ディカプリオはまだ人気があるものとばかり思っていたら、なんと観客は私1人。ついに私だけのために映画を上映させる日が来たか!この間見た「ザ・マスター」みたいだな。思わず口元がほころんだ。この広い映画館を独り占めして、私だけのロードショーですよ!うふふ。
…なんて思っていたら、本編が始まって10分ぐらいしてから遅れてやってきた観客がもう1人いたのであった。ムーラン・ルージュを撮ったバズ・ラーマンの作品ですから、成金上流社会の豪奢できらびやかな世界が広がっていて、すごくワクワクしました。映画っておもいっきり非日常を味わうためにある。だから基本的に私は日常の延長っぽい邦画は見ません。ただ…、レオはもはやとっつぁん坊やにしか見えませんねぇ。ロバート・レッドフォード版のほうが魅力的なのではないかなぁ。これではカーラ・デルヴィーニュでなくとも逃げたくなるでしょう。最後、汚名をすべてGatsbyに着せて、金持ち夫婦は逃げ出すのだけど、あんなに可愛かったキャリー・マリガン演じる妻も自己保身に走る卑怯な女で。結局、似たもの夫婦じゃん。人間、魂のレベルの釣り合う人が出会うようにできている。そんな、昔読んだ本の中の言葉を思い出した夜なのでありました。