企業家の自伝

最近、私は貯金をしようと、書籍の購入を控え、なるべく図書館を利用しようと考えています。しかし、中国から戻ったばかりで、日本語に飢えていたこともあり、つい昨夜本屋に寄ってしまいました。
そこで発見したのが、「僕はミドリムシで世界を救うことに決めました。」です。

12月に上場したバイオベンチャーの社長が、東大在学時代に訪問したバングラデシュで目にした栄養不足を解消するために、スーパー栄養素を探し続けた結果、動物と植物の中間生物である「ミドリムシ」に出会う。研究が下火になりつつあった日本中のミドリムシ研究者にデータを提供してもらい、大量生産技術を確立、サプリメントとしての販売にこぎつけた。その後、ライブドアから出資を受け、オフィスを間借りしていたために、強制捜査後に出資元や取引先を失い、資金面で厳しい局面を迎えたが、ミドリムシの油がエネルギー資源となる可能性に注目が集まり、伊藤忠商事から出資をうけたのを皮切りに一挙にビジネスが好転し、上場までこぎつけた、というのがあらすじ。
私は企業家の自伝を読むのが好きなのです。情熱に突き動かされて、ビジネスを軌道に乗せるために、超人的に活躍するところが。その過程にはとてつもない苦労があり、涙と汗が行間からにじみでている人間臭さが。
私は会社に勤務していて、言われたことを片付ける仕事はつまらないと思っておりますが、単にワガママなため、自分の価値観や興味と合致しない製品担当になり、上から命令されて動くのが嫌なだけなんですよね。だから、現在自分が社長になりたいと思っていたとしても、それは独立したいだけで、起業したいからではないのでしょう。これでは宇宙に衝撃を与えるようなデカイことはできないな。
日本にいると、そもそも「強烈な欠乏」を感じることがないため、苦労をしてでも成し遂げなくてはならないテーマを見つけにくく、発展途上国で鞄を製造している「マザーハウス」にしろ、この「ユーグレナ」にしろ、社長が学生時代にバングラデシュでビジネス上の課題を見つけた、というところが興味深いです。あと気づいた点として、労働力や資金が限られるベンチャーが成功するには、世間が共感しやすいビッグな企業理念があること、かつニッチな市場でも必ずNo.1(時期&テクノロジー)となって注目を集めること。No.2では勝ち目がないと。すでに形成された市場に2番煎じの製品を投入することが多い自分の会社はベンチャーではないものの、特に営業力が優れているわけでもないのにダメじゃないか!と思うのでありました。私も再度、自分ができることだけをちまちまと行うために独立する前に、今の会社の資本を活かして何か新しいことができないかどうかを考えたいと思います。