心の柔らかなところ―芝生での語らい

緑燃ゆるこの季節に気の置けない友人たちと京都に旅行した。嵐山に南禅寺哲学の道。4色ソフトクリームやライトアップされた夜の庭を見ながらの京懐石。友と一緒なら道に迷っても楽しい旅であった。もう少し日々の生活に余裕を持ちたいものだ、と思い戻ってきたが、つくばにも太陽のあたる美しい緑の芝生はあるのであった。昼休みに寝そべる若い研究員たち。なぜだか親しみを感じる福々しい顔の若い男子と一緒にいる機会が増えた頃、彼が「肉体改造をしたい」と言い出した。私のピアスを見たからか。それで寝転がりながらエアダンベルを持ち上げたり、変なトレーニングもどきをしていたのだが、昼休みの終わり際、「昔の肉体を取り戻したい。そうしたら自信が持てそうな気がする。あっでも俺、卑屈キャラだから需要があるのか?」なんて言ってて新鮮だった。あまり自分の意見を言わない、おとなしい理系男子の群れの中で、弱音にも聞こえかねないリスクを冒しながらも等身大の本音を言える人って貴重な存在だ。他の人が何を考えて生きているのか知りたがりな私の探究心を満たしてくれる。だけど、本当に感動をくれるのは自分がどう思われようと構わずに誰かのために尽くしたり、他人を勇気づけられる人。そういう人が結局のところ、私には一番信頼できる。
そういうことも、何気ない交流なしには学べなかったんだなぁ。