去年の夏、犬島で。

なんで今頃?と思われるでしょうが、引越のためガイドブックを整理しようと思いまして、重要事項だけを抽出しておくことにいたします。
犬島は直島からフェリーに乗っていったのですが、直島ほどメジャーな観光地化しているわけでもなく、島民の普通の暮らしの中にちょこっとアートが紛れ込んでいる、という感じ。

まずは銅精錬所の廃墟跡。この煙突やレンガの壁の壊れっぷりが自然なのか、人為的なものなのかが不明。展示スペースには松濤に存在していた三島邸の建具の一部分が半円ドーム上の天井から吊るされ、作品として展示されています。こんなところで三島由紀夫に出会うとは。建物の外には檄文が金文字で飾られており、どうやら経済的繁栄にうつつを抜かすとロクなことはないですぞ、その一例たる銅精錬所の廃墟っぷりを御覧なさい、という意図があるらしい。海がよく見える太陽光が降り注ぐこの場所に柳幸典は三島の転生を試みたのでしょう。家プロジェクトもあるので、直島と同じくオリエンテーリング的楽しさもありますよ。
しかし、現代アートの痛いところは説明されないと理解できないところですね。もういっそのこと、言葉で書いたら?と言いたくなることも。