源氏物語〜千年の謎とはなにか〜

源氏物語はこれまでにも何度か映像化されていると思いますが、最近は物語の世界をそのまま再現するというよりは、作者の紫式部の人生にスポットを当てて、物語の進行と絡ませていくストーリーが主流になっていますね。今回は生田斗真が主人公であることもあり、女優陣との官能的なシーンも随所に散りばめられていました。幼い頃に失った母親像を求めて女性遍歴を重ねる源氏。結局、謎って何なの?って考えてみれば、光源氏藤原道長にちょっかいを出されていた紫式部が感じる嫉妬の感情は六条御息所のほとばしる情熱となって、物語中で炸裂。そのエネルギーが現実世界にも影響を及ぼさないように、陰陽師が活躍するという斬新な設定になっていました。それにしても、御息所といえば熟女のイメージなのに、それを「なっちゃん」が演じているという…道理で私も歳を取るわけですよ。ねぇ。
なぜ私がこの映画に惹かれたかというと、言葉=物語の力の大きさが大きなテーマの一つとなっているからです。道長の娘彰子に皇子を産ませるために、帝の興味を引き、長く留めるために考案された「源氏物語」。宮中の誰もが展開に興味を持ち、その期待に応え続けた才媛紫式部。物語はいつしか作者をも超え、発展していきます。登場人物が憑依して式部に物語を書かせているようでもあります。言葉は世界をも創造する力を持っています。その言葉により、私も何かをクリエイトすることに挑戦してみたいと思う最近なのでした。