不思議な関係

あいつっていじめっこだし、変に自己アピールしてくるし、なんだかうざくて嫌いだ、とそういうnegativeな印象を、なまじ記憶力がよいだけにずーっと覚えていたりする。その後の人生でその人と会わなければ、イメージは是正されることがないし、そもそも思い出す機会もないんだろう。しかし、そいつ曰く「俺の人生の要所要所でClaudiaさんが現れるんだ」とのとおり、大学で同じ研究室だった彼とはなぜだか出会ってしまう。そして、そのうち逆に私の方が暴言を吐いていたことを気づかされたり、なかなかしっかりした社会人に彼が変わっていたり、何か話題をふってもビックリするぐらい昔のことを覚えていなかったりする。

男の人ってすぐ忘れるのよ。言ったばかりのことでも。

おしどり夫婦で有名なCさんも嘆いていた。全く記憶のない人をいつまでも責め立てるのも張り合いないし、まるで自分の心が狭いみたいじゃん。
お世話になったのでご馳走する予定だった後輩についてきた奴さん共々、今日は私がおごったるわいという気持ちでいたら、逆に多く支払ってもらってしまい、あれれ…と困っていると、
「昔のことをお金で解決するわけじゃないけど、許してよね。」と。
もうそんなこと言わないでよ〜、ジャンパーの上からバシバシ腕を殴って別れてきたのだった。
私も男らしく、過去のことを不問に付すことにいたす。買収されたわけではないけれど。