女でいるのが不幸なら、女を捨てろ!?

昔むか〜し、英国美青年俳優ブームという、映画史に残る黄金時代がありました。なぜか彼らは男性同士の愛を描いた作品(ex. アナザー・カントリー、モーリスなど)に出演することが多く、出てくる主要な出演者が美男子ばかりという状況は女子にとってはキラキラと輝いた憧れの世界でしたね。私なんていまだにあの時代を忘れられませんよ。
しかし時は過ぎ、ヒュー様(Hugh Grant)はしわしわになってしまうし、他の方たちは映画界ではとんと姿を見かけない…と思っていたときに、Colin Firthの主演映画が上映されるというGood Newsをキャッチし、これは応援しなければならないでしょう!!と同じくMr.ダーシーファンの友人と「シングルマン」を見に行ってきたのでした。
デザイナーのTom Ford氏が監督をしているだけあって、どの場面も絵になる美しさ。孤独な大学教授役のColinがまたギリシャ彫刻のように維持された肉体で、スーツがよくお似合いなのです。肩幅の広い男が細い幅のネクタイを身に付けるというセンス。めがねスーツ男子好きの私はひたすらもだえるしかありませんでした。(笑)彼に関わってくる若い男子たちもぴっかぴかでね〜、有名ファッションブランドの広告からそのまま飛び出してきたんじゃないのかと思うぐらいで。それに比して残酷だな、と思ったのは女性の取り扱いです。Julianne Mooreを昔の恋人役として登場させるのですが、ばっちりアイメイクが片目しか仕上がってないお間抜けな場面をわざと作ったり、元恋人がゲイだってわかっているのに、「男に走ったのは、女性との関係がうまくいかない代理でしょ」みたいな、いかにも頭の悪そうな発言をさせるところですね。極めつけは、だんなと離婚して、子供も寄りつかない私は孤独で不幸、という彼女に向かい、「女でいるのが不幸なら、女を捨てろ。」と言い放つところです。
最後はColinも死を免れず、結局のところ男性に対してもシニカルな映画でしたが、監督には、このミソジニストめ!女性をなめんなよと悪態をつくことにいたしましょう。だけど、映像が美しすぎて、もう一回観たいです…(笑)