テクノロジーが創る未来

つくばに来てよかったこと。いろいろな企業や研究所の一般公開があること。春に訪れた環境研究所で、「私は博物館が好きなんです。つくばの研究所が一般公開されるのは臨時博物館となるようなものですから、とても興味を魅かれます。」と言ったところ、「人間自体も一個の博物館みたいなものですよね。」とある研究者に返されて、いいこと言うじゃないか〜と感心いたしました。今年は筑波研究学園都市50周年記念ということで、「まつりつくば」にて憧れのCYBERDYNE代表取締役の山海教授の講演があると聞き、喜び勇んで出かけてまいりました。山海教授は昭和の香りがする色グラスの大きなフレームの眼鏡とウェービーなヘアスタイルに特徴があり、どこか昔のアニメで見たことがあるような研究者的風貌で素敵です。つくばスタイルという雑誌で教授がお薦めしている店は全部行ってみようと計画しているミーハーっぷり。本日のつくば駅周辺は屋台が立ち並び、人でごった返しておりましたが、いざ会場のノバホールに入ってみたならば、中は思いのほかひっそりとしており、え〜、みんな興味ないわけ〜?とちょっぴり心配になってしまいました。徐々に人は増えていったのですけどね。しかし、公開する側に気の毒なのは、準備に時間や労力が必要な割に、こうした市民に開かれた行事の聴講者のほとんどは子連れの家族であるため、本当に自分たちの研究で伝えたい最先端の部分の説明までたどり着かない、理解させられない場合が多いことです。乳幼児を連れてきてどうすんのさ〜??それはさておき、これから高齢者の割合が増えていく日本において、装着型ロボットで歩行や患者のリハビリを助けたり、介護者の肉体への負担を軽減することはとても重要で、一つの画期的なソリューションを見せていただいたと思います。欧州ではすでに医療機器として承認されたということですからね。福島の原発でも作業できるよう、災害用のロボットスーツも開発したとの説明でした。なかなかリスクを取りたがらない日本ではありますが、日本の技術のすごさを海外が認めるまで判定できないという腰の重さはなんなの!
自分の仕事内容に悩みを抱える私としては、将来の世界がどうなっていくのか、いろいろと本を読んで探っている状況ですが、自分がやりたいこと、かつできることを明確に定め、具体的に未来への提言を行っていく潔い人になりたいものです。今の会社で「マテリアル」をどう活用していくか、なかなか具体案が浮かばず、苦しくはあるのですが、何か私も新しいことに挑戦したいと刺激を受けました。
それにしても神経系から筋肉に伝えられる電気信号を解析して、ロボットを動かすわけですが、そのうち、頭の中で考えたことをリモコンで実行できるようになるかもしれません。先日訪問した阪大キャンパス内にあるCiNetでも、いずれは人間の脳同士のダイレクト通信が可能になるかもしれない…とパンフレットに書いてありました。神経系研究からは今後驚くような発見や発明が出てきそうですので要注目です。ちなみに私は上記研究所の超有名教授から「抗体医薬なんてやってる場合じゃないかもよ〜?」と焚き付けられましたが。(というか、私がやっているのは抗体医薬の開発ですらないし。)その通りだと思えてしまうのが悔しいです!私だけのフロンティアを探します。