後編

4/8 Last day in Nice
旅というのは非日常に浸れて楽しいものではあるけれど、その一方で自分の本来の人生をお休みしている気分にもなって、少しさびしくもあるのです。いつも旅行する度、あーやっぱり自分が生きるのは日本なんだよな、納豆巻を食べたいから帰りたいなと感じるぐらいがちょうどいいかな、と思うのです。微力ですが、戻りましたら日本をもっとよい国にするために努力したいと考えております。(って政治家か!?)今回、大地震があって不本意にも放射性物質が漏れてしまっていることに関し、世界から糾弾されるかと覚悟しておりましたが、皆さんとても親切にしてくれて、優しさが身にしみました。ゲントの研究所にも募金箱が置いてありましたよ。特にヨーロッパ女性の慈愛に満ちたまなざし。いつも文句ばかりで狭量な自分を恥じました。年々寛大さを身につけていくのでなければ、年をとることに何の意味があるでしょうか。ヨーロッパから「成熟」した大人のふるまいを学んだワタクシに乞うご期待。(笑)

4/7 同僚はいじられ役
今日から合流したベルギー人の同僚は30歳そこそこの若い男子。なんとなくHugh Grantの目を異様に大きくさせたような雰囲気があり、じっと見ていると、なんだか吸い込まれそうな感じがしてしまう。しかし、こやつがなんとも「うっかり八兵衛」なのですよ。学会が終了した後、TPX社の方と面談するためにお金を払ってホテルの会議室まで借りたのに、彼は展示会場のTXP社を訪問して、あれーDr.Bはいないな、とか言ってるんですよ。私が会社名が違うけど!と突っ込みを入れると「やべっ」と顔を真っ赤にしていましたが、やっぱりアポとれてなかった…。思わず肩を叩いて「おしおき」してしまいました。海外でもbossy woman。ドイツの顧客訪問のときも、上司から「おまえ、車を降りてここからホテルまで走っていけ!」と言われたり、夕食時には時間稼ぎに「デザートを頼むフリをしろ。」といじられ放題です。They always force me to do...が口癖なのに、意外とマイペースを貫くところが、サディスト達の心に火をつけてしまうようでした。(注:私は違いますよ。ウフ。)

4/6 望まない夜遊び
学会一日目だが、全く知り合いがいない。ベルギー支社の社員は明日から出席なので、孤独だ。もうNetworking Dinnerとやらに行くのもやめようかとも思ったが、某技術士つながりの会社の方を見つけ、意気投合して参加することにした。ニースの海は鏡のように白くきらきらと輝いていて、一度も見たことのない幻想的な色だった。ディナーはだらだらと続き、22時半になった頃、帰りは勝手に帰れ、とのことで、同僚ともう少し残るという彼を置いて、タクシーに乗ろうとしたら、そんなものはホテルカジノの前には一台もとまっていなかった。しかたなく歩き出したところ、学会関係者らしきスーツの軍団を見つけたので、しれーっとした感じでついていくと、どうも怪しい小道の方に歩いていくので、私好みのドイツ人?らしき青年に、「ホテルに帰るんじゃないの?」と聞くと、「僕は明日帰らなきゃいけないから、今晩は飲むんだ云々」グダグダ言い出したので、「ホテルへの道を教えて?」と用件だけ聞き、あっそ。ありがと、さいなら。とさっさと帰る冷たい女なのであった。しかしねぇ、この集団と別れたのは痛かった。もう23時を過ぎているのに、本当にこの道であっているのかどうかが全く分からない。そこで、広場にいた比較的上品そうな女性陣にマダム!と必死に再度道を聞いたら、すぐ近くよ、心配しないで。と言われてなんとかたどりついたとさ。いくら安全なリゾート地とは言え、気をつけよう。

4/5
今日は電車でオドレイとゲントに行った。なかなかactiveな研究機関のようで、パートナーとしてはいいんじゃない?という感想。ブリュッセル空港まで列車に乗ってニースに飛んできたら、軟派なタクシー運ちゃんに結婚してるのかとかボーイフレンドはいるのか、とか個人情報いろいろ聞かれて困った。しかもフランスにいるんだから、フラ語を話せと。イタリア出身だけあって、自称女の子大好きな彼は若く見えるねーだの様々なお世辞を並べてくれましたが、4日間だけのボーイフレンドとかいらないですから!でも、ヨーロッパのカップル文化に打撃を受けた私としては、帰国したら頑張ろう…とは思っています。独身男性は気をつけるように。(笑)

4/4
今日はなかなか迎えに来ない同僚をホテルのロビーで待っていたら、なんと総勢4名のツアーであることが発覚。部長が「ヨーロッパ人は団体行動なんだよ。アメリカ人と違って。」と言っていたけど、なんだかなぁ?先週の反省を活かし、英語は向上したような気がするのであった。というか、午後関連会社に戻ってきたら、なんだか大勢対1で責められるような構図の会議になっていて、おいおい、向こうのプレゼンに対して全部私が質問して、全部私が本社を代表して責められるのかよ的な展開。修羅場をありがとうございました。
でも私は偉い子なので(笑)、オドレイ・トトゥ似の同僚に対して、夕食時に、いやあなたの会社というか、あなたの主張は正しいですよ、○○も全く同じことを要求してきましたよ。あの件もこの件も。と素直に負けを認めたら、相手はご満悦な様子でしたね。ニヤニヤしてた。まぁ、仕方がない。事実だもんな。